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会社設立のお祝いに招き猫を贈る|右手・左手、高さ、色の選び方と飾り方への配慮

  • 確認日:2026年10月23日
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  • 『会社設立お祝いマナー便覧』編集部
会社設立のお祝いに招き猫を贈る|右手・左手、高さ、色の選び方と飾り方への配慮
お祝いを贈る側向け

取引先や友人が会社を始めると聞いて、「招き猫なら縁起がよくて置物としても場所をとらない」と考えた方に向けた記事です。ところが売り場に行くと、右手の猫、左手の猫、金色や白、大小さまざまで、どれを選べば会社設立のお祝いにふさわしいのかわからなくなります。

ここではお祝いを贈る側の目線で、招き猫の選び方を、手の向き、高さ、色、大きさの順に整理しました。縁起物全体の考え方は親の記事会社設立のお祝いに贈る縁起物にあります。こちらは招き猫に絞った詳しい版です。特定の店や商品はすすめていません。

招き猫が会社設立のお祝いに選ばれる理由と、由来の「諸説あり」

福を招く猫で門出を祝う

招き猫は、商店の軒先や店内でよく見かける縁起物です。商売繁盛や千客万来の願いを込めて飾られることから、会社設立のお祝いにも選ばれます。JAF Mate Onlineの解説によれば、江戸時代の町人文化から生まれた日本独自の縁起物で、9月29日は「招き猫の日」とされています。語呂合わせで「来る福」と読ませる日付です。

由来については、はっきりしません。All Aboutの解説でも、発祥には複数の説があり定かではないと説明されています。じゃらんニュースは、招き猫の原型が江戸時代の末期頃に誕生したといわれると紹介しています。会社設立のお祝いに由来話を添えるなら、「江戸時代から続く縁起物だそうです」くらいにとどめ、特定の寺社の説を断定的に書かないほうが安全です。

会社設立のお祝いに向く理由は、大きく三つあります。一つ目は、事業の願いと結びつけやすいこと。二つ目は、サイズの幅が広く、事務所の広さに合わせて選べること。三つ目は、花や食べ物と違って傷まず、長く手元に残せることです。贈る側にとっても、花のように配送日を気にしすぎなくてよいという気楽さがあります。

一方で、置物は好みがはっきり分かれます。招き猫の顔つきや雰囲気が苦手な人もいますし、事務所の内装にそぐわないこともあります。お祝いの気持ちを伝えるのが目的なので、相手の好みがわからないときは、あまり主張の強くない白い猫を小さめに選ぶのが無難です。これは置物を贈るときの基本的なマナーでもあります。

もう一つ付け加えると、招き猫は「贈られたら飾る」ことを前提にした品物です。受け取った人が事務所の棚に置いたとき、来訪者から見て違和感がないか、という視点で選んでみてください。個人宅向けの愛らしいデザインと、事務所向けの落ち着いたデザインでは、似合う場所がまったく違います。会社設立のお祝いなら、後者を選ぶのが自然です。

左手か右手か:事業の性格に合わせて選ぶ

左手は人を、右手はお金を招く

招き猫の上げている手には意味があるといわれます。All Aboutの解説では、右手を上げているのはお金を招くので金運上昇、左手を上げているのは人を招くので千客万来・商売繁盛とされています。会社設立のお祝いで、どちらを選ぶかは、相手の事業が何を求めているかで考えるとわかりやすいでしょう。

手の向きと事業の組み合わせ(一般的な見方)
図:手の向きと事業の組み合わせ(一般的な見方)

じゃらんニュースも、左手の招き猫について、お店や会社などお客を呼んでほしい場所に選ばれることが多いと紹介しています。これを読むと、来訪者が仕事の入り口になる会社なら左手の猫が選びやすいことがわかります。反対に、オンライン中心で人の出入りが少ない会社なら、右手の猫のほうがしっくりくるかもしれません。

ただし、「右手の猫は金に執着している」と受け取る人がいるのも事実です。会社設立のお祝いは本来、門出を寿ぐ場面ですから、お金を前面に出しすぎないという考え方もあり、これもお祝いのマナーとして知られています。迷ったときは、左手を上げた猫が無難に受け入れられやすいでしょう。

相手が起業の目標をあなたに話していたなら、その言葉を思い出してください。「地域のお客さんを増やしたい」と言っていたなら左手、「売上の見通しを立てたい」と言っていたなら右手、と話の流れに沿って選ぶと、贈り物に筋が通ります。

手の高さは「耳より上か下か」:遠くの福か、近くの福か

耳より高い手は遠くの福を招く

手の高さにも見方があります。JAF Mate Onlineの解説では、上げた手が猫の耳を越える招き猫は「手長」といって遠くの福、つまり大きな福を招くとされ、手の位置が耳より低いものは近くの福、つまり身近な幸せを招くといわれています。All Aboutも、一般的な招き猫は耳より低いと説明しています。

会社設立のお祝いなら、どちらがよいのでしょうか。これも事業の広がり方で考えられます。地元の顧客を大事にしたい会社なら、耳より低い一般的な猫で十分です。全国やオンラインに事業を広げたい会社なら、手の長い猫に遠くからの縁を託すこともできます。いずれにしても、「こうしなければならない」という決まりはありません。

手の高さの見方
図:手の高さの見方

注意したいのは、手を高く上げた猫は、立体的な形が横に張り出す分だけ場所をとることです。棚に置くには背が高くなり、デスクの上では邪魔になる場合もあります。見た目の意味づけだけでなく、置いたときの収まりも想像しておきましょう。

お店で実物を確かめられるなら、猫の顔つきも見てください。穏やかな表情か、つり目ぎみか、といった印象の違いで、事務所の雰囲気との相性が変わります。通販で選ぶ場合は、商品写真の横に原寸サイズが載っているか、確認すると安心です。写真だけで決めると、届いたとき想像より大きい、あるいは小さいという行き違いが起こります。贈り物のマナーとして、サイズの確認は見落とせません。

色は白が基本。黒・赤・金は意味を知ったうえで

白は開運招福、金は金運の猫

色についても説明があります。All Aboutは、白は開運招福・商売繁盛、黒は魔除け・厄除け・家内安全、赤は病除け・無病息災、金や黄色は金運、と整理しています。じゃらんニュースも、白や三毛の招き猫のご利益はオールマイティな開運招福で、それ以外の色は時代を反映した様々な運を招く、と書いています。

会社設立のお祝いでは、白が選ばれやすい色です。意味が広く、どんな事務所の内装にもなじみやすいからです。三毛猫も同様に、昔ながらの招き猫として親しまれています。金色は金運を願う人に喜ばれる一方、派手に見えるため、相手の事務所が落ち着いた雰囲気なら浮いてしまうこともあります。

黒い招き猫は、玄関や店先に置いて悪い運気を入れないようにする、と紹介されることがあります。ただし、「黒は不吉」と感じる人もいるため、会社設立のお祝いには意味を知っている相手だけに贈るのがよいでしょう。赤い猫は、病除けの意味があるといわれますが、赤字を連想させるとして気にする人もいます。贈る前に、相手の好みや考え方を確かめておけると理想的です。

色選びの目安
図:色選びの目安

色の意味は、近年に付け加えられたものも少なくありません。商品の説明書きと売り場の解釈が食い違うこともありますので、「そういわれています」という程度に受け止め、相手に押し付けないことが大切です。

両手を上げた招き猫は贈り物に向くのか

万歳に見える姿は評価が割れる

両手を上げた招き猫も売られています。ただ、これは評価が分かれる姿です。All Aboutの解説では、お金も人も招くので縁起がよいと捉える人がいる一方、万歳に見えるので「お手上げ」を連想して嫌う人もいる、と二つの捉え方が紹介されています。マネーポストWEBでも、両手上げはお金も人も招くが、欲張りすぎてお手上げになる姿と呼ぶ人もいる、という声が載っています。

会社設立のお祝いは、新しい挑戦を応援する場面です。「お手上げ」を連想させる姿は、相手が気にしないと分かっているなら問題ないでしょうが、そうでなければ避けるのが無難です。わざわざ意味の割れるものを選ぶ理由は、あまりありません。

お金も人も欲しい場合は、右手を上げた猫と左手を上げた猫を2体並べて置く人が多い、と説明されています。2体セットで贈るのであれば、もともと別々の猫なので「お手上げ」の心配もありません。ただし、2体になると場所をとり、価格も上がるため、事務所の広さや予算と相談になります。

FUN! JAPANの解説でも、両手をあげた商品は「お手上げ」を意味して縁起が悪いといわれることがある、と書かれています。複数の解説で同じ指摘が出ていることから、避ける人が一定数いると考えておくのが安全でしょう。

大きさと置き場所:受付・棚・卓上のどこに置く猫か

置き場所から逆算して大きさを決める

招き猫の大きさは、手のひらに載る小さなものから、抱えるほど大きなものまであります。会社設立したばかりの会社は、小さな事務所やシェアオフィスで始めることが多いため、大きな猫は置き場所に困らせてしまいます。迷ったときは、小さめを選んでおくと失敗しにくいでしょう。

じゃらんニュースは、黒や赤の猫を玄関や店先に置くのがおすすめと紹介しています。事務所でも、入口近くの棚や受付のカウンターは定番の置き場所です。来訪者の目に入りやすく、「福を招く」というイメージにも合います。一方で、デスクの上や窓際は、日差しで色あせたり落下したりしやすいため、安定した棚が向いています。

受付・カウンター
来訪者の目に入る定番の場所。小〜中サイズ向き
棚の上
落下しにくく、飾りやすい。背の低い猫が収まりやすい
デスクの上
小さな猫なら可。大きいと邪魔になる
自宅兼事務所
小さな猫か、ミニサイズの2体セット

焼き物の猫は、落とすと割れやすいという特徴があります。配送中の破損を防ぐため、梱包がしっかりしているか、箱に壊れ物の表示があるかを確認してください。手渡しする場合も、持ち運びの途中で落とさないよう、袋ではなく箱に入れておくと安心です。訪問して手渡すなら、先方の都合を事前に聞くのも大切なマナーです。

会社が入居するビルの規則で、受付や共用部に置物を飾れないことがあります。あくまで事務所の中に置いてもらう前提で、大きさを選ぶようにしましょう。

のし・カード・贈る時期:招き猫に添えるお祝いの形

のしとカードでお祝いの形に整える

招き猫を贈るときも、のしを掛けるのが基本のマナーです。三越伊勢丹の開店祝いのガイドでは、熨斗の表書きは一般的に「祝開店」「御開店御祝」「御祝」を用い、水引は蝶結び、法人名は上段、代表者名や連名は下段に書くのが基本と説明されています。会社設立のお祝いなら、「御祝」とするのがもっとも無難です。

カードは、お祝いと願いを短く添えます。ビジネス上のマナーとしては、丁寧語を保ちつつ、長くなりすぎないようにします。招き猫の意味を長く説明するより、「にぎやかな会社になりますように」といった一言が似合います。

例文:取引先に添えるカード

このたびの会社設立、心よりお慶び申し上げます。ささやかではございますが、福を招くといわれる猫を贈らせていただきます。事務所のどこかに置いていただければ幸いです。

例文|親しい友人に添えるカード
独立おめでとう。左手を上げた白い猫を選んだよ。お客さんがたくさん来ますように。ずっと応援しているから、無理しすぎないでね。

贈る時期は、原則として開店前日から当日が目安とされています。弥生の解説では、会社設立や開業のお祝いは、開業の前日から1週間ほど前が一般的とも紹介されています。招き猫は花と違って日持ちしますが、開業準備で慌ただしい当日は避け、数日前に届くよう手配すると親切です。贈る前に、事務所の住所と受け取り可能な日時を確かめておきましょう。

会社として贈る場合の経費の扱いは、会社の方針や顧問の税理士によって変わります。国税庁の通達では、得意先などの慶弔や禍福に際して支出する金品等の費用が交際費等に含まれる例として示されていますが、実際の処理は専門家に確認してください。

まとめ:招き猫は「相手の事業」を思い浮かべて選ぶ

相手の事業を思い浮かべて選ぶ

会社設立のお祝いに招き猫を贈るときの要点を、順番に振り返ります。

  1. 手の向き:左手は人、右手はお金。来訪者が多い事業なら左手が選びやすい
  2. 手の高さ:耳より低ければ近くの福、高ければ遠くの福。広がり方で選ぶ
  3. 色:白や三毛が基本。金や黒、赤は意味を知っている相手だけに
  4. 両手を上げた姿:「お手上げ」を連想する人がいるので、避けるか2体セットで
  5. 大きさ:小さな事務所には小さめを。置き場所を先に確かめる
  6. のし:表書きは「御祝」。蝶結びの水引。贈る時期は開業の前日〜1週間前

ここに書いた意味づけは、2026年10月時点でAll About、JAF Mate Online、じゃらんニュースなどの解説を突き合わせたものです。説明は作り手や売り場によって食い違う部分もあり、すべてが定説というわけではありません。贈る相手と事業に合わせて、肩の力を抜いて選んでください。

縁起物のお祝いは、品物の意味よりも、選んだ人の気持ちが伝わるかどうかが大事です。縁起物の章で扱うだるまや熊手と比べて、招き猫がいちばんしっくりくるか、一度考えてみてもよいでしょう。のしの書き方に迷ったらのしの章も確かめてください。

読んでくださったあなたへ

手を上げた小さな猫が、新しい事務所の棚から来客を迎える。その光景を思い浮かべながら選んだ招き猫なら、きっと会社設立の日のお祝いにふさわしい贈り物になります。

色や向きの正解は一つではありません。相手の事業と好みを思い出す時間を、お祝いの一部だと考えて、ゆっくり選んでみてください。

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